モデル授業例3(杉戸町立西小学校)

手をつなごう みんな友達地球人

第6学年(3クラス・108名)
担当教師:小林大輔先生、深井晴美先生、福地一男先生
平成18年度実施

活動のねらい

総合的な学習の時間で、1学期は「よさ美しさ日本文化」、2学期は「ぼくわたしの健康宣言」、3学期は「手をつなごうみんな友達地球人」を学習しています。

3学期の「国際理解」のねらいは、日本と関係の深い国々の様子を調べる学習から、それぞれの国の生活を理解し、お互いの生活や文化についての見方を深め、共に生きることについて考えることです。

3学期の活動計画(21時間)

1-5 調べ学習

他教科とのかかわり

(具体的な活動)

他教科から学んだことを整理し、自分が興味を持ったことや調べてみたいことを探る。

【社会】「世界の中の日本」

日本とかかわりの深い国や自分が興味を持った国について調べ、発表する。(総合的な学習と平行して進める。)

【国語】「言葉っておもしろいな」

3学期の初めに学習して、調べ方、まとめ方を学ぶ。

【音楽】「他国の音楽を学ぶ」(1学期)

音楽を通して世界の国々を知り、いろいろな国があることを学ぶ。

【音楽】「伝統の音楽を学ぶ」(3学期)

琴や尺八の演奏を聴いたり、演奏することを通して日本の伝統文化について学ぶ。

【道徳】「世界がもし100人の村だったら」

いろいろな世界の事情を理解するきっかけの学習をする。自分が住んでいる日本について、平和とは、みんなが幸せに生活するためにはどのようにしていけばいいのかについて考える。

課題を見つける

担当が話し合い課題を精選整理し、いろいろな方向からの解決ができるようにする。

(具体的な活動)

<資料> 「手をつなごう みんな友達地球人」課題を見つけよう

  1. 日本で暮らす外国人、日本で学ぶ外国の若者はどのように暮らしているか。
  2. 県や市町村の役場、大学ではたくさんの外国の人たちを受け入れるために、どのようなことをしているか。安心して仲良く暮らすためにどうしたらよいか。
  3. 世界の人々が幸せな生活をするために、今の私にどんなことができるか。

追求計画を立てる

1つの課題を3点から 調べる。

(具体的な活動)

追求計画を立てよう

わたしの追及 大発見カード

予想を立てて調べ、わかったことと比べる。

(具体的な活動)

わたしの追及 大発見カード を作成し活用する。(資料を参考に課題を決める)

6-7 体験活動1

国際交流と関わる人 たちと交流する。

(具体的な活動)

世界の人々のために ◆講師派遣申請

  • 青年海外協力隊OB(1名) エチオピアとカンボジアの子どもの生活、学校のシステムなどを紹介する。そこから日本との生活環境の違いについて考える。
  • NPO活動経験者(1名) 開発途上国の子どもたちが、いかに過酷な状況の中で生活をしているかを理解し、自分たちの生活を省みるきっかけ作りとする。

<体験活動のふりかえり>

  1. どんな活動をしているか。
  2. 外国のことや国際協力について。
  3. 日本人として、このような活動に参加しようと思ったきっかけについて。

8-12 まとめ・調べ学習

(具体的な活動)

体験活動1のまとめと体験活動2の調べ学習

13-14 体験活動2

留学生と交流する。

(具体的な活動)

日本で学ぶ外国人・友達になれたらいいな

講師:日本工業大学留学生(5カ国7名)

<内容>

  1.  日本で学びたいと思った理由について。
  2. 日本で生活して困ったこと、良かったこと。
  3. 自分の国の良さや自慢などを聞いたり、話したりする。

15-18 まとめ

  • 学習を通してわかったことをまとめる。
  • 自分のこれからを中心に述べる。

19-20 <発表会>

わたしの感動を 伝えよう

  • 課題
  • 調べたこと ・考えたこと
  • 自分の気持ち
  • これから取り組んでいきたいこと
  • この学習を通して成長したこと

(具体的な活動)

  • 課題について説明
  • 調べたことから考えたことを中心に述べる。
  • 自分のこれからを中心に述べる。

21 ふりかえり

  • 自己評価
  • 世界の人が仲良く幸せに暮らしていくために心がけること

(具体的な活動)

  • 5項目について自己評価 (まとめ方、発表する態度・聞く態度、楽しく学習できたか、自分に自信が持てるようになったか、成長できたか)
  • 「手をつなごうみんな友達地球人」の学習を通して、どんなところが成長したかを自覚させる。
  • 「世界の人と仲良くする」意識は、学習する前とどのように変わったかを振り返る。
  • これから、もっと世界の人が仲良く幸せに暮らしていけるように、どんなことを心がけて生活していくかを考える。

児童の感想

児童生徒

 

 

  • 協力のしかたはいろいろあることがわかった。
  • 募金をしたときは、そのお金の使われ方についても関心を持って見守っていく必要がある。
  • 自分の今の生活が、どんなに恵まれているかがわかった。
  • 発展途上国の同じ年齢の子どもたちがとても真剣で、しっかりと生きていることに驚いた。
  • 世界の平和ということに関心を持っていたいと思うが、大きなことではなく、自分にできる小さなことから世界の平和を考えたいと思う。

 成果と課題

成果

  • 海外ボランティアとして活躍された方のお話を伺って、自分たちと同じ年齢の子どもたちがどのような生活をしているのかについて知ることができました。そのことから、今自分がやらなければならないことはどんなことなのかについて考え、自分の生活を見直すきっかけとなりました。特に開発途上国の子どもたちの生活について知り、多少のショックはありましたが、その生活の中でも明るく前向きに生活している姿に心を打たれ、自分たちの生活の仕方を見直し、他人のためにできることはどんなことがあるかを考え、実行したいという心が育ってきました。
  • 国際交流とはどのようなことなのかについて自分なりに考えることができました。
  • 自分が調べた国際ボランティアに関わることと、実際にお話を聞いてわかったこととを比べて考えることができました。
  • 外国からの留学生(韓国・中国・台湾・カンボジア・タイ)と交流を通して日本に学びにきた理由、日本での生活の仕方、日本で学んだことをどのように生かすのかなどについて学びました。また、日本に来て困ったことなどを聞いたり、良かったこと、嬉しかったことなどを聞いたりして、外国の方とどのように接したらいいのかについて考えることができました。

課題

ゲストティーチャーとの交流会の後、新たな質問等を整理する時間がなかったので学習計画に余裕を持たせ、交流会をもう少し早めに計画すればよかったと思います。

 

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